第8章 リゾートは甘くない【M×S】
でも、それで
状況は、更に悪くなった。
怒った男は、翔くんの頬を殴りつけた。
「やめろー//////彼を離せ!!!!」
喚き立てる俺に、
男は徐にポケットからナイフを取り出した。
……黙るしかない…これ以上の危害が
翔くんに及ぶのだけは、
何としても避けたい…
唇を噛んで黙り込むしかない…
男は笑って俺に唾を吐き、
項垂れる翔くんに近づき、
シャツのボタンを弾き飛ばし、
彼の肌を曝した。
すると、
傍観していたもうひとりの男もやってきて、
翔くんのズボンを一気に引きずりおろした。
「…やめろ…お願いだから…やめてくれ…」
俺の大事な翔くんが、
目の前で汚されるのを、
黙ってみているしかないなんて…
「潤……見るな…」
全てを諦めた翔くんが、
力無く言った。
嫌だ!
…嫌だ!!
「やめろー!!!!!!!」
「……ん……じゅん…」
彼が俺の名前を呼ぶ…
優しい声で……
「潤…おい…大丈夫か?」
「翔…くん…?」
目の前に、心配そうな顔をした
翔くんがいた。
「潤…泣いてるよ…
怖い夢でも、見たの?」
…ゆめ…?
……えっ?…
「翔くん……ここは…?」
「セブ島のホテルだよ。
潤、…その…気を失って…
ずっと寝てたんだよ…」
「えっ?寝てた?」
慌てて確認すると、
俺は薄い布団の中で、素っ裸だった…