第7章 オレンジ・ペコ【A×O】
「見ててね…
メリークリスマス!」
その言葉で、
真っ暗だった庭に、
クリスマスのイルミネーションが現れた。
「えーっ!!何これ…すごーい!!」
大きなツリーの上には星。
トナカイと雪だるまが、
光の滝の前で、小さく動いている。
庭全体が、小さなテーマパークのように、
輝いていた。
「………」
目を見開き、言葉を失う君の手を、
そっと握った。
「智と過ごす初めてのクリスマス…
忘れられないものにしたかったんだ」
「雅紀!こんなの、あり得ないよ~
…ありがと❤」
そう言って飛び込んでくる君の、
唇をそっと捕まえた。
「メリークリスマス…智…」
「お誕生日、おめでとう!雅紀…」
涙をいっぱい湛えた瞳から
目を離さないで、
俺は彼の身体をお姫様抱っこした。
ベッドに寝かした智は、
少し不安げに俺を見上げた。
「いいの?貰っても…」
「うん…プレゼント、ごめ…」
何も言えないように、唇を塞ぐと、
智は、それを受け入れるように、
首に両手を回してきた。