• テキストサイズ

いつも眠いのはキミのせい。

第17章 赤い傘。


気が一度緩んでしまったら止まらなかった。

私は声を荒げて泣いた。


緑間さんには、デカイ声を出すなと言われた。


だから、声を殺して・・・


誰かの胸を借りて泣きたかったのかもしれない。

誰かに慰めてほしかったのかもしれない。

話を・・・聞いてほしかったのかもしれない。


私は緑間さんの胸を借りて泣いた。

迷惑だったと思う。

それでも彼は、私が泣き止むまで、そこに居てくれた・・・・



「ご、ごめんなさい!急に泣いたりして!しかも胸まで借りてしまって!!」



緑間「べ、別に構わないのだよ。」



彼は、優しい。4年前にも感じた、同じ暖かさだ。

嘘が下手だけどね。


それは、私の胸だけに閉まっておこう。


「本当にすいませんでした。部活帰りですよね?疲れてるのになんてことを・・・・」



緑間「気にするな。ところで、お前は何故泣いていたのだよ」




「えっとそれは・・・・これ以上迷惑をかけるわけには・・・・」



緑間「もう十分迷惑はかけられた。今更変わらない。」



そう言って、雨の当たらない場所に誘導してくれた。



緑間「これを使え」




緑間さんは、タオルを私に渡してくれた。





「で、でも・・・・」




緑間「言っただろう。もう迷惑は十分かけられたから今更かわらないのだと。」



言い方は少しキツイけど、本当に優しい人・・・・




「緑間さんて本当に優しくて親切な方ですね。」



緑間「呼び捨てで構わない。それに今日はたまたま使ってないタオルを持っていただけなのだよ。」



呼び捨て!?
真太郎でいいのかな!?




「真太郎?」




緑間「なっ!?」



えっ!?その反応、違ったのかな?!




「違いました?!」




緑間「いや・・・それで構わない。・・・・それで・・・・何があったのだよ?話くらいなら聞いてやる。」



この人に・・・話してみてもいいのかな?

もう聞いてくれる気満々だし・・・


私は、ズット心に引っかかっていたモヤモヤや、部活の事、耳の事、昔のこと、全て真太郎に聞いてもらった。
/ 1230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp