第17章 赤い傘。
★★
ベンチに座りながら昔の事を少し思い出してた。
ふと気づくと、公園の前で一人の男の人が立ってこっちを見ていた。
あの人・・・・
イヤホンを外して歩いてくる彼の足音を聞いた。
規則正しい足音。
やっと会えたと思った。
私は彼に向かって声をかけていた。
「傘!!」
急に声をかけたから、彼はビックリしていた。
「傘!!昔、くれた方ですよね?」
この足音・・・・それに緑頭に眼鏡・・・・あの頃とあまり変わってないな
「お前・・・・その傘、まだ使っているのか?」
「・・・大事な傘なので・・・・」
??彼は私の顔を見て驚いた顔をした。
私のこと知ってるのかな??
「お前は!?黒子の所のマネージャー・・・」
この人もテツ君の友達??テツ君友達多いんだな。
「え?!テツ君のお友達ですか・・・?」
「この間、誠凛と海常の練習試合を見に行ったのだよ。」
こないだの練習試合・・・・あの姿。この人にもみられてたのかな??
少し不安な気持ちになる。
「・・・・そうなんですか・・・・あなたもバスケされてるんですか?」
「俺は秀徳高校でバスケをしている。黒子と黄瀬とは中学で一緒にバスケをやっていたのだよ。」
中学の頃のバスケってことは、キセキの世代・・・・とかだったりするのかな?
「テツくんと涼太のお友達だったんですね。・・・・・私、相田です。・・・・あなたに、傘のお礼をズットしたかったんです。」
やっと言えた。ちゃんと顔を見て、面と向かって伝えたかった。
「俺は緑間真太郎だ。・・・お前、ここで何しているのだよ?」
「え?・・・・・・チョット・・・・雨に当たりに・・・・」
って苦しい言い訳だな。
緑間「風邪をひくのだよ。早く帰れ」
緑間さん、心配してくれてるのかな?それとも早く帰らせたいのかな?
あぁ、最近本当にダメだ。
考えがネガティブすぎちゃう。
何か気が緩んで泣きそうだ。
この公園のせい?それとも緑間さんがいてくれるから?