第107章 初恋。
家には私一人だけで、凄く静まり返っていた
静かな部屋で、征くんの事を考えていたら、たまらなく会いたくなった
私はたまらず部屋を飛びだして、彼と出会ったあの公園に向かっていた
隣町にある公園は、少し遠いけど、そんなの私には関係なくて
こんな時間に行っても普通に考えたら学校だし、会えるわけもないし、私は本当にどうしようもないバカだ
でも会いたい・・・・
会いたいよ征くん・・・
「会いたい・・・」
目の奥がツンとして、目に涙がウルウルとたまる
私は必死に自転車をこいだ
風で涙なんて吹き飛んでしまうように
そんな時だった
―ダムッ ダムッ キュッ キュ―
「・・・・バスケット・・・」
遠くからバスケットボールの音が聞こえた
征くんはいつもバスケットボールを持ってた
バスケが大好きな少年だった
私は行き先を変えて、バスケの音が聞こえる方向に向かった
会えるわけもないのに・・・・
ただ必死に音の方へとペダルを踏んだ