第106章 出会い。
自分の部屋を出てしまうと冷え切った廊下が待っていて
引き返したくなる思いをぐっとこらえて前に進む
さっと身支度を済ませ
パパやリコちゃんを起こさないように玄関の扉を開けて外に出た
「雪だ・・・・!」
空からはパラパラと雪が舞っていて、余計に寒さを感じた
イヤホンを付けて、マフラーに顔をうずめ私は歩き出した
今日の試合は準決勝で、海常との試合なのに
試合の事だけを考えられたらいいのに
私の頭の中は違う事でいっぱいだった
私の事を大切に想ってくれている、特別な感情を持ってくれている
そんな彼らに私はマダ何も伝えていない
この9か月間、本当に色んな事があった
あり過ぎて、楽しくて、幸せで
本当に皆に出会えて良かった
たくさんの友達ができて仲間ができて
本当に本当に幸せでいっぱいだったよ
ありがとう
でもね、私の事はもう好きにならないで
もう、これ以上見たくないの
泣いてる姿も
無理に作る笑顔も
苦しそうな顔も
怒らせてしまった姿も
冷酷な目も
心配そうな顔も
全部全部・・・・
私がそんな風な気持ちにさせてるんだ
私が皆を・・・・
苦しめてる