第106章 出会い。
それから私たちは、毎週のように公園で会った
最初は毎回していた約束も、いつからかそれが当たり前になっていた
私は日曜日が楽しみだった
学校でどんなに辛い事や悲しいことがあっても
征くんに会えれば全て吹っ飛ぶ
彼は私の救いで、全てだった
月日はあっという間に流れて、私達は小学生5年生になっていた
赤司「と話してると、息の詰まるような事も忘れてしまうな」
「私も!征くんと話してると嫌な事なんてわすれちゃう!」
赤司「同じだね」
「うん、同じだね」
征くんは家が厳しいみたいで、いつも日曜日の決まった時間しか会えなかった
彼はいつもバスケットボールを持ってきていた
コートで一生懸命練習してる姿は、小学生なのに、様になっててかっこいいと思った
「本当にバスケ好きだね」
赤司「バスケができてに会えるこの時間が、俺にとっての楽しみだからね」
私は球技が苦手だし、何も楽しいなんて思ったことなかったけど・・・
だけど、征くんを見てると凄く楽しそうで、私もなんだかバスケが好きになっていた
赤司「には、バスケの音はどう聞こえてるの?」
「んー・・・ドリブルの音も、シュートが決まった時のネットに擦れる音も、凄く鮮明に聞こえて響いてくるの。目を閉じてバスケの音を聞くと、頭にはいつも征くんが浮かぶ。私の・・・大好きな音」
赤司「・・・・」
征くんはこの時、凄く嬉しそうに笑った
私はそんな征くんの笑顔が大好きで、もっとずっと一緒にいたいって思った
それに、毎週日曜日にこの公園で会うのがズット続くんだと思ってた
でも・・・私たちの別れは突然やってきた