第17章 赤い傘。
--------4年前---------
私はいつも、隣町の公園で泣いてた。
「うぅ・・・・ヒック・・・・・ヒック・・・」
この日も雨が降ってたけど、そんなの構わずに、ベンチに座って泣いてた。
「どうして皆私の事嫌うの・・・・ヒック・・・」
泣いてると、誰かが公園に近づいてくる足音がした。
「!!」
泣いてる所を見られるのが嫌で、顔を見られないように反対向きに座りなおした。
凄く規則正しい足音だった。
私は背を向けていたから、どういう様子かは伺えなかったけど、公園の前で一度足音が止まった。
泣いてるのばれちゃう。
そう思ったら、又足音は進みだした。
ほっとした。
もういなくなったのを確認して、私は座りなおした。
でも何だか、誰もに見放されたような、見捨てられたような気持ちになって又泣いた。
すると、さっき公園の前を通りすぎた足音が戻ってくるのが聞こえた。今度は走って・・・・・・
するとその人は私に向かって走ってきた。
「!?」
驚いた。
そこに立ってたのは、真っ赤な傘をさした、同い年くらいの男の子。
「お前・・・星座は?」
突然の事に何のことか理解できなかった。
「えっ?!」
「何座だと聞いてるのだよ!!」
その男の子は少し声を荒げて、又聞いた。
「・・・や、山羊座。」
すると男の子は掛けていた眼鏡をクイッと上げて
「フンっ!今日の山羊座のラッキーアイテムは赤い傘なのだよ。」
そう言って、自分が使ってた傘なのに、その赤い傘を私に押し付けて来た道を走って帰っていった。
「ちょっ!!」
走り去る背中を見ながら
「ありがとう!!!!」
と叫んだ。
彼のくれた赤い傘を見上げて思った。
「フフッ♪嘘下手だなぁ~^^」
赤い傘がラッキーアイテムだったのは蟹座なのに・・・^^
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