第17章 赤い傘。
★★
今日は雨。
どうしようもない思いを吐き出したくて、家から飛び出た。
丁度、学生の帰り時間で、学生達とすれ違う。
私は、お気に入りの赤い傘をさして、昔よく行っていた隣町の公園に向かう。
リコちゃんに、何度も新しい傘に変えるように勧められたけど、私はこの傘を凄く気に入ってる。
ただ・・・すこし年期が入ってるせいで、色が黒くくすんでたり、骨が折れたり曲がってたりするだけ!
すれ違う人たちには、いつも見られちゃうけど・・・・。
この傘以外を使う気にはとてもなれなかった。
だってこの傘は・・・・私の大事な思い出だから!!
隣町の公園についた私は、雨なのも気にせず、濡れたベンチに座る。
赤い傘を見上げながら、昔を少し思い出す・・・・・・