第101章 才能。
★★
さっきから大我の様子が何かおかしい
それにやっぱり、大我一人で敦と同じ範囲を守るのはきつそう・・・・
点差がどんどん離されてってる
火神「がっ!?」
大我はまた敦に止められてしまった
「アウトオブバウンズ!!誠凛ボール」
火神「くそっ・・・」
大我イライラしてるなぁ
大我はコートから出たボールを取りに行く
そんな大我の事を目で追った
「あ・・・・」
黄瀬「なんスかその体たらくは」
火神「黄瀬・・・」
大我の先にはボールを拾った涼太の姿があった
「涼太」
黒子「黄瀬君」
紫原「黄瀬ちん?」
でも涼太の雰囲気がいつもと違う
何か・・・・怒ってる?
いつも笑顔のあの涼太が?
黄瀬「・・・あれ?知り合いかと思ったら違ったっスね。あんた誰?」
火神「・・・あ?何言って・・・・・・」
黄瀬「知らねーよ んな何かにすがってバスケやるよーなヘタレは」
やっぱり怒ってるんだ
黄瀬「こんなヘタレを応援してくれるマネージャーに謝った方がいいんじゃねーの どうやら準決は紫原っちとやることになりそっスねー」
火神「んだとっ・・・」
涼太、大我に対して怒ってる
何で?
大我は何にすがって・・・・・
「あっ!」
コガ「え!?」
土田「どうした!?」
「えっいや何でも・・・・」
つい大きな声を出してしまって手で口をおさえた
涼太が怒ってるのは・・・・大我がすがってるのは・・・・
”ゾーン”だ!!
大我はさっきからゾーンに入ろう入ろうとしてたから様子がおかしかったんだ
それに対して涼太は怒ってるんだね
そんな二人のやり取りを見ていると、涼太がふとこちらを見た
黄瀬「・・・・・」
「・・・・・」
少しの間目が合っていた
涼太は私を見て笑った
いつもの満面のキラキラな笑顔じゃなくて
少し困ったような顔の笑顔
涼太のあの笑顔を見ると・・・・
放っておけなくなる
何か悩んでるんじゃないか
何か困ってるんじゃないか
何か辛い事があるんじゃないか
私は又、涼太が心配になる
涼太の事はもう、笠松さんたちがいるから心配しないって決めたのに