第91章 ちゃんこ鍋。
★★
桜の花びらが舞う季節
私は体育館裏の空き地で本を読みながらウトウトしていた
体育館から聞こえてくるのはバスケットの練習音
ドリブルの音
バッシュのスティール音
シュートが決まったときのネットに擦れる音
リバウンドでゴールから跳ね返った音
皆で出し合う声
そして近づく
彼の足音
「」
私の名前を呼ぶ彼の声
彼は私に笑顔を向け
私も応えるように笑顔を向ける
「今日は何の本を読んでいるんだ?」
「今日はねぇ・・・・ん?」
彼は突然私の髪に触れた
「花びらがついてるよ」
「あっ、ありがとう・・・」
―ドキドキ ドキドキ―
「は桜の色がとても似合うね」
「えっ、そ、そうかな・・・」
彼の言葉一つ一つが、私の鼓動を更に早くする
「・・・好きだよ」
「・・・え?」
彼の優しい瞳が真っ直ぐこちらに向けられる
「俺は、が好きだ」
それは、彼の口からズット聞きたかった言葉
私の・・・・大好きな人・・・・