第81章 離れたくない。
★★
「あっ!!!」
ハッとした
窓の外はもう光が差し込んでいた
「そんな・・・・・」
手元の10と書かれたバスケットボールのストラップを見て泣きそうになった
「渡せなかった・・・・・」
皆が淋しくないように、仲間だよって想いを込めて、昨日急いであり合わせの物で作った布きれのストラップ
皆の背番号に想いと願いを込めて・・・
大我が行ってしまう前に渡さなきゃって思ってたのに!!
こんな時に寝ちゃうなんて・・・・・
「・・・・・・あれ?」
ふとテーブルの上に置いてある他のストラップを見渡す
「マが無い・・・・」
マはマネージャー。
私用のストラップ・・・・どっか落としちゃったのかな?
そう思っていたら、携帯が震えた
メール?
送り主は火神大我
「っ!!」
携帯を急いで確認した
[ストラップサンキュ!!俺が居ない間淋しいからって泣くなよ!!]
このメッセージと、スポーツバッグに付けられた、バスケットボールのストラップの写真が添付されていた
そのストラップにはマの文字が書かれていた
「何だよぅ・・・持ってってるじゃん」
私は一人、涙を流して笑った