第13章 涙。
その後の試合もほとんど頭に入ってこなくて、どういう流れで試合が終わったのか・・・
結果は誠凛の勝ちだった。
皆は凄く嬉しそうだった。
ふと私の目に入ってきたのは、涼太君の涙だった。
彼の涙が、私の心を表してるように思えた。
本当に無意識だった。
気づけば私は、涼太君の前に立ってた。
「泣かないで・・・・」
そういって、彼の涙を拭った。
涼太君がそう言って私を救い出してくれてように。
黄瀬「・・・頭はなでてくれないんスか?」
涼太君の声にハッとした。
でも・・・・
「チョットあの子何なの!?」
「ヤダ!!黄瀬君に触らないでよ!」
「あの二人どうゆう関係なの・・・」
周りの声が聞こえてくる・・・。
ヤメテ・・・・・・聞きたくないょ・・・・
目の前が真っ白になって、どうしたらいいのかわからなくなり、目には涙が溜まって溢れ出そうだった。
私は涼太君から1歩退いた・・・・
その瞬間だった。
私の耳と目を誰かが覆い隠すように抱きしめた。