第73章 もうやめた。
★★
-ドクンッ ドクンッ ドクンッ ドクンッ-
俊くんの・・・いつもより少し早くてい大きな鼓動の音
伊月「初めて一緒にサボったあの日からずっと・・・ちゃんが好きなんだ」
皆ならきっと受け入れてくれる
そう思いながらも、心のどこかでは不安が残ってた
傷を見て引いてしまってるんじゃないか、重いと思ってるんじゃないか、WC前に言うことじゃなかったんじゃないか
なのに・・・・
こんな私を好きだと言ってくれた
そばに居て欲しいって言ってくれた
嬉しかった
全てを知っても私を好きだと言ってくれて
凄く凄く嬉しかった
「・・・あっ・・・ありがどゔぅ・・」
ちゃんと言葉になってただろうか?
溢れんばかりの涙と少しの鼻水
こんなグシャグシャに泣いてる私を見て
俊くんは優しい顔で微笑んでくれた
そしてフワッと優しく抱きしめて頭を撫でてくれた
伊月「ごめん、泣かせて」
「・・ヒック・・・うぅ・・・・ゔれしなぎだょ・・・・」
伊月「そっか・・・俺の為に泣いてくれるのは嬉しいけど、やっぱ笑ってて」
「・・・・ぅん・・・」
伊月「本当はずっとこうしたかった。ちゃんに触れたかったんだ」
「・・・うん・・・」
伊月「大好きなんだ」
「うん・・・・ありがとう。俊くんありがとう。本当に本当にありがとうっ」
こんなにもこんなにも嬉しくて
こんなにもこんなにも大好きなのに
こんなにもこんなにも大事な人なのに
どうしてたった一人の特別になってくれないの?
涼太もカズ君も俊くんも、私に”特別な好き”をくれたのに
私はどうして
誰にも”特別な好き”をあげられないの・・・・?