第9章 苺ミルク。
★★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「相田さんて凄い耳いいんでしょー?」
「なんか気持ち悪いよね。」
「男子も彼女にはしたくないって言ってた。セフレならいいんだって!」
「ハハハッ!何それー!」
「絶対私らの話とか聞いてるよねー!」
「てか、あの子いたら内緒話できなくない?!最悪だね!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
聞きたくない。
聞きたくないのに!!
・・・・助けて・・・・・誰か助けて・・・・・・・。
「泣かないで・・・」
・・・・・・え・・・・?
流れる涙を優しくぬぐってくれてる。
頭を優しくなでてくれてる。
あったかい・・・・気持ちいい・・・
・・・・・誰かが・・・・辛い夢の中から・・・・
救ってくれた・・・・・あなたは誰・・・・・・・
夢から覚めて目を細めて開く。
・・・・・今のも夢か・・・・・
夕日が眩しくてしっかり目を開けられない。
誰かが歩いていく後ろ姿が光の中から少しだけ見えた。
・・・・・・・飴・・・・・・・・・?
足元のバスケットボールに目をやると、一粒の飴がのってた。
それは、とっても甘い、甘い、苺ミルクの味だった。