第7章 本入部。
★黒子テツヤ★
昨日、先生に邪魔をされて、屋上から意気込みを伝えることができず、このままではバスケ部に入れないんじゃないかと心配してます。
どうにか皆さんに伝える方法はないかと昨日考え、今日こうして早めに登校してきました。
又こんなことしたら先生に怒られるかもしれませんが、バスケ部に入れない方が困ります。
黒子「この辺からでいいですかね」
グラウンドに一言”日本一になります”と皆さんが登校してくる前に書いてしまいましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・よし。
結構時間かかっちゃいました。
「・・・・・・っ・・・・・・・」
??今何か聞こえた気がしたんですが、気のせいでしょうか。
「テツくーーーーーーーーん!!!」
ッ?!声のする方を見上げて、僕はビックリしました。
「わ、私も。私も一緒に、皆と一緒に・・・日本一を・・・・日本一を目指していいですかぁーーーーーーー!!!!!!!」
そこにはさんの姿がありました。
さんは、自分から人に話しかけたりもしないし、口数も少ない方です。ましてや大きな声を出すなんて考えられません。
そのさんが、勇気を出して、一生懸命に、頑張って伝えようとしてくれているのが凄く伝わってきました。
登校してきてる方たちは、皆驚いて何事かという顔をしていましたが、そんなの僕には関係ありません。
一生懸命なさんに、僕も何か伝えなくては・・・・
黒子「・・・もちろんです。一緒に目指しましょう^^」
ありきたりな言葉しか伝えられない自分が情けないです。
でも、これからも一緒に。さんや火神くん、先輩たちと一緒に日本一を目指して頑張ります!!!!
あ・・・・・・監督に主将、他の先輩方も・・・・・・
皆笑顔で、さんの事を見上げていました。
さんが勇気を振り絞ってくれたこの日の事を、僕は絶対に忘れません。