第39章 決勝リーグ。
テツ君が話してくれたのは、中学二年初夏の頃・・・・
涼太はバスケ部に入ったばっかりで
いつも青峰大輝を追いかけていたようだ
青峰大輝は、チームのエースで才能も練習量もチーム一で
本当にバスケが大好きな人だったらしい
今の彼からはとてもじゃないけど想像できない・・・
キセキの世代と呼ばれる5人も、1・2年生の頃は周囲より優れた選手。その程度だった
けど、青峰大輝は誰よりもはやく、そして突然、才能を開花した
開花してしまったキセキの世代は誰にも止めることができない
涼太や真太郎を見ればその凄さは一目瞭然だよね・・・
一度開花してしまったら、誰も止めることはできず、彼に本気で向かって行く人は居なくなった
「頑張ったら頑張った分だけバスケがつまんなくなってくんだよ」
その言葉が私にはとても苦しかった
そこから彼は部活を少しづつ休むようになったみたいで、それでもテツ君が励まし、ギリギリ繋ぎとめている感じだった
けど・・・・彼は失望してしまった
自分がやる気を出せば相手のやる気を失せさせてしまう
「オレに勝てるのはオレだけだ」
そう言って・・・・・・
彼の求めているものは手に入らないと・・・・
その年の全中は彼の力で圧勝したみたいだった