第6章 勇気。
★日向順平★
自主トレの帰り道、公園の前を通りかかると、ベンチに誰か座ってるのが見えた。
・・・・・・・・か??・・・・・・・
俺はそっとベンチに近づく。
寝てんのか?・・・・・・全く。
本当にこいつはどこでも寝るやつだな。
日向「・・・・・オイ!」
誠凛来て、バスケ部仮入部して、チョットは楽しいとか思ってんのか?
皆、お前の事心配してんだぞ。
あいつらが集まりゃ、すぐお前の話になるし。
黒子や火神だって一緒だ。
リコだっていつもお前の事気にかけてる。
日向「!!こんなとこで寝んな!!風邪ひくぞ。」
俺だって・・・・・・・・・ずっと・・・・・・・・・・。
ずっとお前の事想ってる。ずっと守ってやりたいって。傍にいてやりたいって。
「順くん・・・・・」
感情を表に出さなくなって、最初はもう泣かずに済むならって思ってた。
けど、そうじゃねーよな、お前が笑わなくなって、泣かなくなって、全部自分の中に閉じ込めちまって。
日向「おー起きたか。お前本当にどこでも寝るな!」
一番辛い思いしてんのも、寂しい思いしてんのもお前だよな。
「うん・・・ごめん・・・」
もう謝らないでくれ。
日向「だアホ!何謝ってんだよ!!それより、こんなとこで寝てて何かあったらどーすんだよ!もっと危機感持てよ。」
俺がいつも傍にいてやるから。
「私・・・バスケ部の皆と・・・友達になれるかな?」
笑っててくれよ。ただ傍で、笑っててほしいだけなんだよ。
日向「お前はいらん心配ばっかしてんな!なれるかな?じゃねーだろ。もうお前もバスケ部の一員だろーが!!仲間なんだよっだアホ!!」
「・・・・・うん。」
はぁ。俺も本当に情けないな。
自分の気持ちを伝える勇気すら出ねーなんて・・・・・