第128章 お祝い。
★★
次の日-。
ケーキの入った大きな袋を手に、私は街にくりだしていた
「んー・・・・」
もうこれで何件目のお店だろう・・・
どのお店に入ってもテツ君へのプレゼントにピンとくるものがなく、途方に暮れていた
早くしないと時間が・・・
皆との約束の時間までもう残り少ない
テツ君が好きそうなもの・・・
テツ君が喜びそうなもの・・・
考えれば考えるほどわからない
「んんんん~・・・」
次のお店に移ろうとお店を出ると、聞き覚えのある足音に顔をあげた
すると、遠くからこちらに向かって歩いて来る大きな紫頭が目に入った
「敦だ・・・」
敦は私に全く気づく様子もなくお菓子を頬張っている
私はお菓子を頬張る敦の元へと向かった
「敦っ」
紫原「!?あれ~?こんなとこで何やってんのぉ?」
敦は少し驚いた顔を見せると、すぐにいつもの穏やかな顔に戻った
「集合前にちょっと買い物!敦こそこんなとこでどうしたの?」
紫原「ん~、すぐそこの駄菓子屋さんに来たんだよね~」
「駄菓子買いに来てたんだね。このまま行くんでしょ?」
紫原「も行くんだっけ~?遅れるとミドちんがうるさいからねぇ」
「真太郎、そんなうるさいの?」
紫原「すげぇうるさい」
「そうなんだ」
敦は嫌そうな顔を見せたけど、足取りはいつもより軽い
本当は楽しみなんだね
でもそれは敦には言わないでおこう