第127章 好きな人。
-ピンポーン-
送別会の会場に着き、呼び鈴を鳴らす
少しの間待っていると、ドタバタとした足音とともに扉が開いた
-ガチャ-
リコ「悪いわね、場所借りちゃって!」
「おはよう!大我」
火神「何で俺んちなんだよ・・・」
リコ「だって広いし!!いつも集まってるじゃない!!」
そう言ってリコちゃんは遠慮なく上がっていった
火神「そんな集まってねーだろ!・・・っすよ」
「大我ごめんね、嫌・・・だったかな?」
火神「・・・あークソ!!嫌じゃねぇよ!!寒いから早く入れ」
「うん、ありがとう」
後ろに続いていくと、大我はピタリと急に止まった
-ドンッ-
「わっ」
急に止まるもんだから、私は大我の背中に鼻をぶつけてしまった
「ちょっと止まるなら教え・・・「この前の!!」
私の言葉は耳に入っていないようで、大我は急に私の声に被せて大きな声を出した
「えっ?」
火神「試合が終わった後の・・・その・・・」
「大我、人の話聞かなさすぎだよ」
大我は私の話も聞かずに先走ってばかり
でも・・・・・
私もちゃんと確認しておかなきゃ
火神「あっ!?わりぃ・・・」
「試合後に言ってくれた好きってさ・・・」
私は消え入りそうになる声とともに俯いた
どういう意味の好き?
それが怖くて聞けなかった
火神「あれは・・・・・」
やっぱり自分から聞くべきじゃなかった・・・
そんな風に後悔していると
大我はまた大きな声をだした
火神「あぁ~!!やっぱこんなの俺らしくねぇ!!」