第123章 信頼。
タイムアウトが終わり、試合が再開された
黛さんは交代させられるのだと皆思っていたようだし、現に洛山のベンチでも交代させるという話をしていたのが聞こえた
でも、それを制して出続けるように指示をしたのは赤司君だった
一緒に戦ってきた仲間だから
最後まで一緒に戦いたいから
赤司君にもそういう気持ちがあるからこそ黛さんを交代させなかったんだって
私は勝手にそう思い込んでた
そして思い知らされる・・・・黛さんを交代させなかった本当の理由
それは仲間としてではなく・・・・テツ君より目立ってしまったことにより、視線を集めやすい黛さんを、視線の誘導として利用すること
一方的に
パスを通す道具として・・・・
赤司君がそういう人だというのはよくわかっていたはずなのに・・・・
それでもなお、赤司君にも情や想いがあるのだと・・・・そう思いたかったのかもしれない
でも・・・やっぱり彼にはそんなもの無かったんだ
バスケが大好きで、仲間を大切に想い、私を大切に想ってくれた・・・・・
そんな征君の面影を捨てきれずにいるのかな私は・・・
本当にどうしようもないな
征君が戻ってくる・・・・
その希望もまだ捨てきれずにいる