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いつも眠いのはキミのせい。

第120章 影を無くした影。


★★



テツ君は愕然とした顔でコートから戻ってくる

驚いているのはベンチ側も同じで、皆はテツ君に何て声をかけていいのか躊躇してしまった


それは私も同じ


今のテツ君に、私は何て声をかけたらいいんだろう

テツ君がいつも1人で練習してたの知ってる

誰よりも努力して

誰よりもバスケが好きで

だからこそ

コートで何もできなくなってしまったテツ君に、かけられる言葉なんて・・・



リコ「諦めないで!またすぐ出てもらうわよ!」

「!」

黒子「・・・・・え?」

リコ「第3Qの残り3分ちょい・・・あなたに全部あげるわ・・・だから思い切りやられてきてほしいの!」

「思い切りやられてくるってどうして・・・?」

リコ「もう一度戦って・・・勝つために!」



そっか・・・

りこちゃんはテツ君がもう一度戦えるように

皆で勝てるように

その為にテツ君に約3分間をあげるんだ

3分間でテツ君が復活できる策やヒントを見つけ出す



「うん・・・そうだよね」



テツ君にはちょっとキツイかもしれない

けど・・・・

テツ君がこのまま再起不能になるわけにはいかない!!



私はギュッと握りしめていたタオルを広げてテツ君にそっとかけた




「テツ君、皆が居るから大丈夫」

黒子「ありがとうございます」




そう言ってテツ君はタオルとともに私の手を握った




「テツ君・・・?」

黒子「少しだけ・・・・勇気を下さい」

「うん」




勇気だなんて

テツ君の目はリコちゃんの話を聞いた時からやる気に満ち溢れてる

残り約3分間

ただやられに戻るわけじゃない

絶対に策を見つけてくる

そんな強い眼差しをテツ君はしていた


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