第118章 お前の為に。
敦は急に黙りこんでしまった
何か機嫌損ねちゃったのかなぁ・・・?
不安げに敦の事を覗き込むと、敦は私の方を見たあと、大きな手を私の頭の上にのせた
「?」
紫原「もし・・・達が赤ちんに勝ったらさ・・・」
「うん」
紫原「は・・・自由になれるの?」
「自由に・・・」
赤司君への恐怖心と
何よりも征君という存在
それがずっと私を縛り付けていた
でもこの試合が終わったら・・・
何か変わるんだろうか
「わからない・・・けど、何かが変わればいいと思う。敦や・・・他の皆のように赤司君も・・・・私も」
紫原「俺は別に変わって無いけど」
「変わったよ敦。だって・・・・悔しいって思ったでしょ?今度は絶対負けたくないって、バスケがしたいって。そう思ったからバスケ辞めてないんだよね?」
紫原「・・・別にもう少しだけ続けてもいいかなって思っただけだし」
敦がバスケを辞めてない
それが答えなんだから
「バスケ、やっぱ大好きなんだねっ!良かった」
紫原「・・・・・。もう時間でしょ。行きなよ」
「あ、本当だ!じゃあ行くね!」
紫原「うん」
「敦!万が一私たちが負けても・・・赤司君が変わらなくても・・・私たちの・・・誠凛のバスケを、最後までちゃんと見届けてね!」
結果なんて最後にならないとわからない
だから今を精一杯にがむしゃらにもがくしかない
だからこそ私たちのバスケを・・・・
最後まで貫き通したい