第115章 失う。
それから私は、赤司君の前でも泣く事をしなくなった
もちろん笑うことなど無かった
全てを捨ててしまえば・・・
こんなにも楽になれるんだって知った
辛くて悲しいことも、楽しくて幸せな事も
何も感じることもなく
ただただ毎日が過ぎる日々
そんなある日のことだった
「ちょっとこっち来いよ」
いつものイジメ
感情を無くしてしまった私は泣くこともなく
目の前の現実をフィルム越しから受け入れる
私の無反応な態度に腹が立ったのだろう
この日、私は今までで一番酷いイジメにあった
一生残る傷
太ももにたくさんの火傷傷を負わされた
痛い
ヒリヒリとジンジンといたむ傷
その痛みを誤魔化すように自傷行為を繰り返す
そんな私の事を、赤司君は全て知っている
赤司君は、何も話さなくても何でもわかっていた
赤司「傷痕を見せてごらん」
「・・・・・」
赤司「随分痛そうだね・・・可哀想に・・・」
そう言って彼は私の傷痕に口づけを落とす
赤司「。もう大丈夫だ。明日からは安心して学校に行くといい」
「・・・・?」
赤司君の言っている意味が理解できなかった
安心して学校に行けるってどういうこと?
でもそれは・・・次の日学校に行ってすぐにわかることとなった