第111章 逃げない。
★日向順平★
周りの声に呑み込まれるな
俺たちは俺たちのやるべき事をやるんだ
点差は15点
普通ならもう向こうに勝ちめねーと思っちまうのに・・・
黄瀬が戻っただけでこんなにも違うもんなのか
最後まで一瞬も気が抜けねぇ
なのにさっきから俺たちのペースが崩れてる
今、俺たちは完全にヒールだ
けど、ここで崩れちまったら元も子もねぇだろ!
こんな時にあいつの声があれば・・・
会場の声なんて吹っ飛んじまうのに・・・
って、結局が居てくれねーとダメなのかよ
俺たちはあいつが帰ってくるのを信じて待つって決めたじゃねーか
だからそれまでは俺らだけで頑張らねぇと!!
けどこの空気・・・
ミスは致命的なのに・・・
さっきからミスってばっかだ・・・
焦るな・・・いつも通りに・・・いつも通りだ
このままじゃやべぇ
もうミスはできねぇ
絶対にだ
もう一つもミスは許されない!!
けどそう思えば思うほどミスしそうで不安になる・・・
どうすれば・・・・
「誠凛------!!」
日向「っ!!」
自分の耳を一瞬疑っちまった
けどこの声は紛れもない
日向「!!」