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Nerine-ネリネ-

第7章 霊力



更に蜻蛉切は続ける。

「喧嘩とは、早期解決が一番ですよ」


喧嘩したように見えていたのかな?
ああ…っ確かにまんばちゃん真っ赤になって叫びながら飛び出していった!部屋で起きた事を知らなかったらそりゃあ怒って出ていった…即ち喧嘩した様に見えるよね…。
私は蜻蛉切の誤解を解くことにした。

「もしかして、山姥切が走り去っていく姿を見てる?」
「…はい」
「顔が真っ赤だった?」
「はい」
「なにか直前に叫んでいた?」

まるで、今想像している人物の特徴を上げていって、最後にはぴたりとあてるゲームのように蜻蛉切に質問していく。

「何を言っていたかはわかりませんが、大声を上げていた、かと…」

少し心配そうに私を見つめる蜻蛉切。
私は左右を確認して、近くに耳をすませている刀剣男士がいないのを確認した。見える所に遊ぶ短刀はいるけど。

「その状態の山姥切にした原因は私だけれど、じつは山姥切に可愛いとか綺麗って直前に言ったからだとは思う…すっごい照れてたんだ、真っ赤になるくらい」

恥ずかしそうでもあったけど。
蜻蛉切は納得したのかなるほど、と言い安心した様子で、更に眉間に指を当てる。


「申し訳ない、こちらが勘違いしてしまったようで…なにか、お詫びに手伝える事があれば何でも申し付けてください…」


「まあまあ。誰だってあんなまんばちゃん見りゃあ…」

「はい?」


きょとんとする蜻蛉切。
あっ今私、口滑らせて山姥切の事をまんばちゃんって言ってた。
恥ずかしくなってきて顔が熱く感じる。

「あの、今の呼び方は忘れて下さい…」

眼の前の蜻蛉切は優しそうな表情で、はいと返事をした。


「誰だってあんな山姥切をみたら勘違いもするでしょう。昨日の村正の事も怒っては居ないよ、…その、びっくりはしたけど」

「いや、本当に…本当に申し訳ない……」



廊下の分岐点で蜻蛉切と別れ、私はキッチンの方向へ向かう。
…さっきの話、頭の中で整理すると私の部屋から飛び出していったあと、安定が向かっていった方向に走り去っていったのかなぁ。どっかの部屋か物陰にでも隠れているんだろうか。
自分で否定するほどじゃないと思うのに。山姥切は綺麗だし、可愛いし、かっこいいし。

そこまで思って、それ以上は考えちゃ駄目だと頭を振る。
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