第9章 理由 旧双黒※R15
「レイがいなかったら本当は来るつもりなかったのにー」
「あぁ?俺だって来なかったわ」
冷たさを感じるコンクリートの壁、広く続くリノリウムの廊下。
赤い電飾が怪しく光り。
『双黒』と呼ばれる二人は互いに愚痴を零しながら(若干言い合いに近い)、一人の女性とともにゆっくりとコツコツと静かな一本道の廊下で音をたて歩みを進めていた。
「....」
愚痴を零す(言い合い続ける)二人を無視しその人物は腕を組み、右手を顎に当てる所謂、"考える人"のポーズを固定し、二人に挟まれながら僅かに俯きつつ歩いていた。
三人がいるのはポートマフィアと契約を結ぶとある組織。
「俺とレイだけならまだしもなんでテメェまで付いてくんだよ....」
「それを言うならなんで中也こそついて来るのさ!私とレイだけでいいだろう!」
「あぁ!?」
コンクリートの壁に沿うようにずらり並ぶスーツを着た強靭的な体格の男達。
見るからに威嚇的なそれすら三人は視界に入らないように、そう周りから見えるくらいには緊張感が欠けていた。