第5章 優しさの境界線《高校編》 緑間真太郎
彼は優しい。
なんだかんだ言って自分が女顔なのを気にしているのを知っているから誰かにからかわれれば不器用にフォロー(なってないけれど)してくれるし、華奢なせいで肩幅が狭く他の男子より幾らか撫で肩だから大きな荷物が運びにくいことを見越してすぐに手伝いに来てくれたり。
助けられてばかりで申し訳なさすら浮かぶのに、自分がなにをしただろうか?
好意が向けられているのはすぐにわかった。
健全な彼は指先が触れるだけで大きく肩を揺らし謝り、お礼一つで顔を赤くして。
気にするな、人事を尽くしたまでなのだよ
なんて、他の男子にも女子にもそうそうそこまでしないだろうことをしてくれる。
本人は無自覚なのかもしれないが。
自分は彼を好きか、と言われれば好きだ。
likeかLoveかと聞かれると困るが、親友としては間違いなくLoveだ。
恋愛的に、と聞かれるとわからない。
そもそもコンプレックス故に恋愛から必然的に遠のいていた。
顔はまあ、自分でも整っている方だと思うし、なかなかの優良人物だと思う。
ナルシストではないけれど謙遜する程自分は謙虚でない。
よく女子から告白されたし男子からもされた。
きっと顔で選んだのがほとんどなのだろうが、好かれることを嫌と思う人はいないだろう。
それでも捻くれてしまったこの心はどうしてもそれが表しか見られていない様で、男子に至っては嘘に思えて仕方がなかった。
自分は男が男を好きになるのもアリだと思う方だ。
所謂バイセクシャル、というもの。
だから男子に告白されることも良心的に思うし、その勇気を激励したい。