第4章 優しさの境界線《中学編》 緑間真太郎
「レイさん、好きです!付き合ってください!お、俺、男ですけど、レイさんがすきでっ」
彼と一緒にいるとよく告白現場に遭遇した。
同性愛を否定はしない、誰がどう、誰を愛そうと本人の自由だ。
ただ、彼しか目に映っていないようで、隣の自分は一切無視。
否定はしないが、せめて場所を考えてくれ、そう思うものの彼の返事を黙って聞く。
「嬉しいよ、ありがとう。でも部活に集中したいから」
ごめんね、と微笑むように見せるが、彼は普段自分に、そんな笑い方はしない。
だからだ。
俺が彼を気にするようになったのは。
彼は無自覚なのかもしれないが、俺からしたら大問題なのだ。
一緒にいるのが当たり前になって、一度話を始めれば話題は尽きず気づけば時間が過ぎ、少し何かをするだけでありがとう、と、ふわ、と笑う。
他には見せないその素の微笑みがとても好きだった。
その対応の差がたまらなかった。
自分は信頼されてるのか、そう思うようになって、彼をよく見るようになった。
長いまつ毛、大きな垂れ目がちな綺麗な瞳、男にしては長めの艶やかな紺髪、細身の体に、すらっと伸びる細長い手足、白い肌...確かに他の男や女よりもとても美しいと思う。
中性的な顔立ちを本人はコンプレックスだと言っていたが可愛い、というより美しい、美人、そういう言葉がよく似合う。
本人は嫌がるかもしれないが。
確かに自分にしては珍しく(殆どない)可愛い、と思う時も多少あるが、運動中や普段の何気ない表情は真剣だったり、挑発的な笑みだったり、かっこいいと思うものばかりだ。