【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第42章 呪術廻戦✿五条悟+夏油傑~3LDKふたりの居候~
2006年春──…我が子のように可愛がってくれた兄夫婦が任務中、呪霊に殺された。年の離れた兄が両親の代わりだった。両親はの誕生によって祟り殺され、当主をはじめとする家の者達は皆、異形の術式・不死身の肉体を持って生まれたに対して奇妙な扱いをしてきた。
「これで家の監視下から逃れられた。自由だー!!」
二階建ての開放的な一軒家。術師の兄夫婦は万が一のために遺言状を書き残していた。そのひとつがこの3LDKの一軒家。元々兄夫婦が住んでいた家で高専2年生のには少々広すぎる家だが、居心地の良さなら比べるに値しなかった。
「。これも2階に運んでしまっていいものかな」
「あ、待って。それはリビングのところに」
「了解」
ニコッと笑い、朝から引っ越し作業を手伝ってくれているのは高専(正式名称:東京都立呪術高等専門学校)に通う同級生の夏油傑。業者を頼んでも良かったのだが傑が手伝ってくれるというので甘えることに。あともう一人ついてきたはずなのだが……
「悟。何もしないなら出てってよ」
「俺忙しいよ。監督だし」
剽軽な態度でテレビ前のソファーを陣取っているのは同じく同級生の五条悟。はカチンと頭にきて皺を寄せた。
「アンタの家じゃない。邪魔」
「んや?ソファーはずっと此処にある」
「あ゛?」
「わーっこわいこわい。可愛い顔が台無し」
「てンめぇ……」
「二人とも。その喧嘩はナンセンスだ」
傑は効率よく呪霊を式神のように使い段ボールを運んでくれている。天元様の結界外の住宅地で騒ぎを起こすわけにも行かず、は傑の方に向き返った。
「いつもありがと、傑っ!役立たずの悟とは全然大違い」
「むぅ」
「引っ越しには男手が必要だからね。いくら怪力無双な君でも」
「傑。一言多いぞ」
「フフ。口が滑った。御免よ」
「謝ったから許す」
「ハー……分かった分かった。荷解きでも手伝えばいいんだろ」
なにかを見兼ねた悟は頭の後ろをワシャワシャと掻きながら階段を上って行く。家具家電は間に合っているため、は自分が使い易いように模様替えしていった。