第9章 僕のヒーローアカデミア✿切島鋭児郎「初えっち」

（歯を当てねぇように………、がっつかないように……、優しく…優しく…。舌を入れるときは…イキナリ入れちゃ駄目だ。ちゃんの口が開いてきたら…ちゃんと確認してからにしよう）

の唇がだんだんと開いてきたのを確認し、切島は見詰め合えるだけの距離を開ける。

「ちゃん…。……ディープ…キス、してもいい？」

（ディープキスって…あの、エッチな動画でするような……）

「…ぅん…。私も……したい…」

「ちゃん…好きだよ…」

「私も……」

近付けてちゅっと下唇を弾き、ちろっと下唇を舌先で舐める。唇を重ねて舌で唇を吸い付くように撫で、口の中に絡めていく。

（熱いのが…入って………。し…舌ッ、どうすれば良いんだろう……！！）

目を瞑ったままでいると、口だけの感覚に集中し研ぎ澄まされていく。歯列をなぞられている切島の舌にゾクゾクと興奮していき、は舌の居場所が分からずに下の方にぐっと下げる。

「…ちゃん…。やっぱり…無理なら無理しなくていいよ…？」

「ちッ…違うの……。ただ、その……」

（いっぱい舌動かしたら…いやらしい女だって嫌われたくないし……）

「恥ず…かしくて……。ご、ごめんなさい…」

「えっ、いや、そうじゃないんなら良かった……。俺…、ちゃんのこと大切にしたいし…、嫌われるようなことしたくねえから…さ」

「鋭くん……」

（こんなに優しい彼氏なんて、他を探したってどこにもいないよ…。私には鋭くんさえ居てくれれば……）

「……しよ。もう一回。……ディープ、キス…」

（恥ずかしがらずに…鋭くんに、いっぱい愛されたい……）

お互いの身体に手を回し、遠慮がちに引っ込めていた舌を近付けていった。