【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第40章 呪術廻戦✿狗巻棘「消しゴムの跡」
はこの頃、体の違和感を覚えるようになっていた。それはいつもおにぎりの具しか喋らない狗巻棘が仕事部屋に来るようになってからだ。
「しゃけ」
仕事部屋というのは医務室。優れた才能を持つ家入硝子は別格だがも少しばかり反転術式を操作する、傷の治療ができる数少ない呪術師だ。
「ああ、狗巻くん。また喉痛めたの?」
「しゃけ」
「どうぞ椅子に座って。診てあげるから」
狗巻は家入が出払っているときに限って姿を現す。まるで狙ってきているのではと疑うくらいに。
「それじゃあアーンして……」
《 脱げ 》
「えっ」
隠していた口元を出した狗巻は突如、呪言を放った。の意志とは無関係にブラウスのボタンに手をかける。
「!? や、待って……ッ、やだっ…なんでぇっ」
ブラウスを脱いだらスカートを脱ぎ、一枚一枚はらりと身についていたものを自分の手によって肌が露になる。
「やめてよ狗巻くん…っ!どうしてこんな、やだッ…見ないでよぉ……っ」
「おかか」
「いやぁあ…っ」
にとって狗巻は年の離れた青少年だ。は既に成人しており、同居している恋人もいる。
最後の要であったブラジャーやショーツも無くなり、すべて脱ぎ終わるとは身を屈めて自分の体を隠した。
「高菜」
「ン…っ」
ポロポロと大粒の涙を流すに狗巻は出来るだけ優しいキスを送る。
《 思い出して 》
の涙がパタリとやむと呪言が全身を駆け巡っていた。