【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第9章 僕のヒーローアカデミア✿切島鋭児郎「初えっち」
切島とは雄英高校でお互いに惹かれ、付き合い始めてから早数か月。全寮制度になってから更にお互いの距離も縮まり、Tシャツと短パンといったラフなスタイルでベッドの上に正座して沈黙を守ること数十分。
(いよいよ……)
(この時が……)
二人は初めてのシンクロを迎えようとしていた。
(……大丈夫だ…大丈夫だ俺。事前準備はしっかりした。恥ずかしかったけどコンドームとジェルも買ったし、ティッシュは枕元、水分補給もした。トイレにも行った。エッチなホームページを何回も音読したからたぶん大丈夫……だ)
(……落ち着け…落ち着くんだ私。あんまりビクビクしてちゃ鋭くんを困らせちゃう。お風呂で念入りに洗ってきたし、歯もちゃんと磨いて口臭もチェックしてきたし、ムダ毛処理もちゃんとしてきたし…今日こそ……)
(抱くんだッ…!!)
(抱いてもらうんだッ…!!)
意を決して前を向くと真っ赤になった顔を目にし、また視線を逸らしてしまう。
(あ~っ、何やってんだ俺!男らしくねえぞ…!!)
(わ~っ、また逸らしちゃった!こんなんじゃ嫌われちゃう…!!)
二人はこれを数十分繰り返していた。
ここは切島の部屋。偶然にも同じ階に割り当てられ、コソコソと逢引し合っていたがそれこそただ話すだけで性的なことはあまりしていない。
キスや手を繋いだり、ハグし合ったり…は数え切れるだけ。学校の風当たりが厳しくなってからはデートの代わりに逢引していたようなものだ。
二人が付き合っているのはクラス全員が知っている。というか初めて会った時からお互い意識し過ぎて周りに後押しされて付き合い始め、恋人になったらなったでまだかまだかと冷やかされ…が不満を口にしたのがこの状況になったキッカケである。