【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第38章 呪術廻戦✿七海健人「夜の蝶」
は自分で涙を拭うと、七海の頬を撫でた。
七海のばつが悪い顔を微笑んで打ち消してきたのだ。
「七海くんが……ほしいの」
はじめてなのに勇気を振り絞ったのだろう。
声が微かに震えていた。
こんなに想ってくれているのに申し訳ない。
「いいんですか……?私がはじめてを貰っても」
「えっ」
「まさか。私が気付いてないとお思いでしたか?」
今度はがきまりの悪い顔になった。
最初から聞くつもりはなかったのに。
クソッ。
これは明らかにプライドを傷つけてしまった。
だが、今更引くのも往生際が悪い。
「貴女のような女性はこの世の中にごまんといます。口にするのはごく一部のクソだけです。性生活を露見したがる奴らが異常…、まあそんなところです」
下手に慰めるのも止めよう。
無駄にプライドを傷つける気がする。
ありのままの現実を口にしたらは苦笑いした。
「いかにも七海くんらしい励まし方ね」
「別に励ましたつもりはありません。私自身、小さな絶望を積み重ねて大人になりました」
現実と理想のギャップ。
呪いや他人、細かく言うなら情事もそのうちのひとつ。
美しいものなんてほんのひと握り。
下から女性の顔を見たときも。
はじめての性交渉も。
酒臭いキスの味も。
「急展開で申し訳ないですが、いささかこの状態で帰るのは厳しいです。自慢ではありませんが私のソレは、はじめての貴女に相当負担をかけてしまう」
身勝手な切り替えだと重々承知だ。
コミュニケーションはとても重要だと理解している。
しかし非常にまずい。
はち切れそうなくらいソコが痛くなってきた。
の目線が下がり、わずかに見開いた。
「ご覧の通りです…。挿入を強要するつもりはありませんのでご安心を。ここにオイルがあるので……少々、股を貸していただけないでしょうか」