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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第38章 呪術廻戦✿七海健人「夜の蝶」


は懸命に抗っており、その反面で解放したがっている。
原因は何となく予想できた。
いくら処女肉を解したところで到達できない。

七海は指をゆっくり引き抜き、胸元から顔を離した。
そして、鎖骨に口付けを落とす。
首筋から感じる漏れだすフェロモン。
甘く噛んで慈しみを送る。
触れた唇はどこまでも優しく囁くように。

耳の後ろ、輪郭、唇の横…手にとった手の甲にも、優しく唇をあてた。

「意地悪してすみませんでした。力を抜いて楽にしてください」

泣き顔を浮かべる。
涙を流すと止められると思ったのだろうか。
必死に堪えている顔が愛おしい。

いまにも零れそうな滴を唇で拭った。

「そのままではお辛いでしょう…?」

女性の気持ちが分からないほど鈍くもない。
大切にしたいと想った相手なら尚更探りたくなる。
他人と関わり合いを持ちたくなかったのに。
手にしたら途端に愛おしさが増す。


 ……好きです。

 貴女のことが大好きなんです。


七海は言葉を口にしない代わりに薄っすらと微笑んだ。
この先の未来、の隣りには自分はいない。
無縁に生きると決めたあの日から。
だからこの人間社会に逃げてきた。
結局はどちらもクソだった。

自分はやり甲斐とか生き甲斐なんてものとは無縁で、金さえあれば無縁でいられると思った。
呪いと他人は金さえあれば無縁でいられる。
サラリーマンとして金のことばかり考えて。
たまにのことも考えて。
金を稼ぐことに勤しんだ。

目に入ったら癒されるはずなのに、辛くもなった。

「大丈夫。私に任せて」

もう一度なんてものは想い出だけでいい。
これが正真正銘・最初で最後。
は他の誰かと幸せになった方がいい。
必ずなれると保障する。

こんな自分を惚れさせたのだから。
その手を繋いだら悔いばかり残りそうだから。
幸せになった姿を遠くから見守っていくのが自分の幸せだと言い聞かせて。

だから、口八丁で誤魔化す気持ちを今だけは許してほしい。
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