第32章 黒子のバスケ✿今吉翔一「道ならぬ」

口に手を当てられ、際どいところを突いてくる。

「息苦しいか？もうちょいでワシ、イけそうやねん」

「ふ、ふッ、くぅ～ッ！」

先程よりペースが速まったからイケないと思ったけど、今吉はイイトコロを狙い撃ちしてくる。

「んア゛ッ…っ、んぅうッッ～～～！！！」

「出るッ！！」

ぎゅうぎゅう締め付けたところに放たれる。
間髪なく激しく打ち込まれ、同時に奥とナカが熱くなって解き放たれた気持ちになった。

全身から力が抜け…、

「あっ…つぃ…」

ナカに注がれてる。
ドクドクってナカで音がしている。

出されちゃった。
中出し許可して一緒に昇天してしまった。
しかも横で兄がいるっていうのに、今吉翔一という男の精子が子宮に注がれてしまった。

「ァ…ふっ…溢れちゃ…」

「ずーっと繋がりっぱなしもムリやろ…なあ？」

「……、」

どうしてそんな切ない声を出すのだろう。

今吉は片づけを優先するように精液を拭き、後始末し終えると脱ぎっぱなしの服を着始めた。

気持ち良かった。
満たされたはずだった。
満足したはずだったのに…寂しい気持ちになるのは何故なんだろう。

裏切ったのは…すべて自分自身なのに。


「その答え…、学校祭の終わりに聞かせてな？それ以上は待てへんから」


部屋を出ていくとき、名残り惜しい唇が重なり離れていく。

自分の部屋が心の空洞ができたところみたいになって、一人残された場所で…涙が伝う。


「……っ…」


ああ、道を外れるってこういうことなんだ。

きっとこれは。
元には戻れないのだろう。



Fin.