【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第6章 名探偵コナン✿沖矢昴「好奇心」
沖矢はとの始まりを思い返していると、はキッチンに立っている沖矢の身体にすり寄ってくる。
「美味しそうな匂いですね」
「……味見、しますか?」
「はいっ!」
沖矢はコトコトと煮込んでいたビーフシチューの蓋を開け、小皿によそう。
「ん~…美味しいっ!野菜が溶け込んでいてとっても美味しいですっ!」
「それは良かった……」
は自分の身体から離れようとしない。恋人でなければ友達でもない、段ボールの玩具が繋ぎ止めているひどく脆い肉体関係。
沖矢は何かに必死にしがみついているのを感じながら、新しい玩具には手を出さず…まだ遊び切れていないと自分自身に言い聞かせ、同じ玩具を手にしてしまう。
「……あの、ビーフシチューのお皿、出してもらえませんか?」
「はいっ、わかりました!」
純情なほど可愛らしくて、無邪気なほど乱れ咲いて、胸の外側から冷たい拳銃を突き立てられているような鋭い感覚。
(……彼女はまだ知らない。恋は…、どれほど恐ろしいものなのか……)
それがまだ好奇心だけだというのなら、手を引っ込め、口にもせず、顔にも出さないように作りものの笑顔を浮かべる。
「それではいただきましょうか」
そしてまた明日も彼女が来てくれることを信じて。
Fin.