【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第28章 ハイキュー✿金田一勇太郎「リライト」
先輩たちや同級生に背中を押され、幼稚園から出身がおんなじの、密かに想いを寄せていたを校舎の裏側に呼び出していた。
「急に呼び出しちまって悪ィ…」
「うん…別にいいけどさ。話ってなに…?」
は高校に入ってからますます女らしくなった。
スカートから覗かせる肉付き…いや、それだけじゃなくって髪型とか変わったからますます綺麗になった。前はちょっと癖毛のある感じだったけど真っすぐサラサラになって、伸ばし始めたから見違えたように綺麗で可愛くなった。
だから誰かに横取り…ではないけど、付き合ったりするんじゃないかって内心すごく焦ってた。
「あの…よォ…」
「…うん」
はジィっと俺の目をみてくる。
こんなにマジマジと見られたことなかったから。
と幼馴染といってもいつも仲良く話している親密度ではない。家の中とかで仲良く遊んでいたのは小学校低学年までだった。そっからクラスも同じにならなくなって遊ぶ友達も自然に変わっていった。
「…その…、見ないうちに…か…か…変わったなって思って…」
「…うん。ありがと」
たぶん俺の顔はすごく真っ赤だ。
耳まで熱くなっている。
ずっと遠くで見てたから目の前に立つことなんてなくって、呼び出したときもすごく緊張したし、ヘタしたら試合の時よりもバクバクしてて、手足も震えている。
「…も……も…もし、さえ良ければ…そのォ…」
見守る先輩たち、同級生が壁越しで応援してくれている。
逃げ出したい足腰をぐっと地に足つけて。
「俺と付き合ってくださいッ!!お願いしますッッ!!!」
腹から声を出して全身全霊で告白した。
深く頭を下げて、握ってくれると信じて手を前に突き出す。
こわくて目が開けられねえ。
水中のなかじゃないのに息するのがすごく辛くて。
頭んなかが真っ白になってる。
「………………金田一くん」
「っ…」
名前を呼ばれて、反射的に頭をあげそうになった。
頭を下げている先にはの靴のつま先が見えて…。
「ごめんなさい」
「───」
俺の想いは玉砕に散った。