【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第25章 僕のヒーローアカデミア✿エンデヴァー「有限手錠」
今からおおよそ3時間前。
逆恨みによる犯人から解除不能な個性を浴びて、長年No.2ヒーローの座にいるエンデヴァー(45歳)の剛健な手首と、地名度急上昇中の若手ヒーローの(20歳)の華奢な手首には銀色の手錠ががっちりと繋がっていた。
「………手を動かさんか」
「左手じゃ書きづらいスもん」
「…」
黙って書類の整理をしていたエンデヴァーは、痺れを切らして声だけかけると駄々をこねた返事が返ってくる。事実、視線を投げると不自由のない左手で携帯を操作しており、コンボを繋げて口もとが楽しそうにニヤついている。
「っ…、ではその動かしている手はなんだァァ!!!」
「激ハマりのゲームっすよ。左手ではゲームはできるっスけど、左手で仕事ができるほど器用でなくて」
「御託はいらん!さっさと仕事をしろォォ!!!」
「おーコワ」
猛然たる勢いで怒鳴り散らすも、なめ腐っているはまったく動じた様子を見せない。
はエンデヴァーの事務所に所属しており、同じ雄英高校の出身でサイドキックの頃からの顔馴染み。エンデヴァーはの実力を認めている…が、怒りを露わにした炎が天井まで燃え盛っていた。
「あぁぁ、天井っ!すみませんっすみませんって、エンデヴァーさんっ。報知器鳴っちゃいますって」
「……分かったら仕事をしろ」
「へいへい」
「返事は一回ィィ!!」
「へーい」
「伸ばすなァァ!!」
「へいっ」
「………貴様。焼き焦がされたいのか…?」
「ノーセンキュ」
携帯を閉じたものの、引っ張られる左腕。
「……………腕を引っ張るな」
「それじゃあ書けないんスもん」
「………やはり腕を切断して、」
「あー…もうウルサイ人っすね、分かりましたよっ。もうちょっと近付きましょうかね!暑苦しいケドっ!!」
「…」
肩がぴたりとくっ付く距離まで詰めてきて、手を付けていない報告書を書きはじめた。
女性らしい上腕筋の柔らかい感触…。
「……………」
だがいかんせん違和感と不自由なことに変わりなかった。