【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第24章 僕のヒーローアカデミア✿ホークス「片翼のビスケット」
気を失ったようには眠りにつき、朝霧の匂いを感じて目を覚ますホークス。
薄らぼんやりした目をして瞼を開け閉めし、横ですやすやと眠るの肩を優しくさする。
「──……、……起きて…?」
「……ん……ぅぅ…」
「もうすぐ日の出だ……。と二人で見たかった……」
「………ぁ…」
目を覚ましたはゆったりと起こすと地平線上にみえる朝霧の遠い向こうに、かすかな光を感じとる。
「………啓悟………」
「…ん?」
「………ありがとう」
「…ん」
固く手を重ねて、指先を絡ませて、空へとのぼる日光に照らされる。この日のことを一生忘れないように瞳に刻み、情景に包まれながら微笑み合う。
「………」
「…?」
「………お誕生日おめでとう」
「…!!」
「その顔、さては忘れてたなぁ~?作戦大成功~!」
大切な人の誕生日は自分のよりも忘れない。おどけた風に笑ってみるとはみるみる涙を潤ませていって、普段は絶対に流さない涙を包み隠さず落としていく。
「……ううう、…ひっく…」
「あ~…よしよし。思う存分に泣け」
「泣いて…ないぃ……ぅうう~…」
「あ~…そうだな。お天道様でてんのに雨が降ってらぁ…」
なんでか分かんないけど、は俺に涙を見せたがらなかった。
大人しい性格で、自己犠牲的で、頑張り屋さんで、弱音を見せなくって、俺よりも格好良くって、俺よりも我慢強くて…、癒してくれて…、にはなにも敵わない。惚れまくっててなんも言えないくらい好き。めっちゃ好き。
「………、手ぇ出して」
「…?」
なんも勝てちゃいないけど、言わせてほしい。
また泣かせちまうけど笑っていてほしい。
「俺が幸せにする。出会ってくれてありがとな…!」
運命を、俺は信じてるから…。