【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第23章 僕のヒーローアカデミア✿ファットガム「嫁さんのいる生活」
仕事が終わったんは午後9時過ぎ。今日はもう疲れたし眠いし腹減ったし夜も遅いから事務処理は明日やることにし、と同棲するアパートに目をやる。
「電気ついてへん…。まァ、あいつ早寝早起きやからしゃあないわ」
携帯のメールには夕飯あるから食べてね、と書いてあったので買い食いは控え、事務所からそのまま家に帰ってきたというわけだ。
「ファットさんただいま帰りましたでー」
と、玄関先でただいまをいってみる。
けれど出迎えてくれる人はいなくて、すやすやふかふかのベッドで寝ているんだと思い、足音を立てずにリビングの戸を開ける。
「電気電気っと………」
真っ暗な部屋で感覚的に壁スイッチを探し、ぱちっと明かりをつけるとリビングの食卓にが突っ伏している姿が目に入った。
「ふぉおぉ!ぉ…、びっくりしたぁ…。今までこんなことなかったやん…。まさか死んでるんとちゃうやろな……?ぉーぃ」
突っ伏しているの肩を優しく擦ってみる。よくよくみると規則正しい寝息を立てており、ひとまず安心する。
「ぉーぃ…。こんなところで寝てると風邪ひくで?」
「………ぁ………ぉかぇり………」
「意識ぼけぼけやな。ただいま」
つぶらな瞳をこすって大きくあくびをする。ぐっと身体を伸ばすとバキッと骨が鳴ってる。
「………太ちゃん。ごはん食べる?」
は俺のことを「太ちゃん」と愛称で呼ぶ。ファーストネームが太志郎だから「太ちゃん」。──ふとちゃんじゃない、たいちゃんやで。
「おう。夕飯あるって聞いたからそのまんま帰ってきた。こんな遅い時間になってしもうたけどな。はなんか内職でもしてたん?」
「んー………気付いてたら寝てた。いま何時?」
「もう10時になるな。足元ふらふらやん。レンジでチンなら俺やるで」
「ん、太ちゃん仕事で疲れてるでしょ。レンジでチンだけだから私もできる」
「じゃあお願いするわ」
俺のために作ってくれた脂肪だらけの料理。俺の好みをちゃんと分かってくれてる。
脂肪は、俺にとっての生命線や。
「腹減ったー。めっちゃご馳走やん!いただきますっ!」
旨そうな手料理をがっついて食べた。