• テキストサイズ

【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない


組み敷いているは果て、鯉が陸上にあがったみたいに上下に反復している。交接していた部分が搾り取られるように痙攣し、治崎は繋がったまま、のぬくもりを感じる。

「……んん」

「……」

恍惚な表情をするの名前を呼び、汗の滲んだこめかみや目元に優しく口付けを落とす。

「…治崎、さん」

「ん。どうした…?」

「…治崎、さん…」

「……ん?なんだよ…」

名前を呼ぶは、この短い時間を埋めるように幸せそうに微笑んできた。手を伸ばしてきて…、頬に触れてきて…、優しく撫でてくる。

「……治崎さん」

「ふ……。なんだよ、……」

の名前を口にするときみたいに、もそう思ってくれているのだろうかと考えてしまう。幸せそうな親子が子供の頭を撫でるみたいに…、組長が我が子のようにあやしてくれたみたいに……。

「……っ──おまえは不思議なやつだ…。どうしてこんなに愛おしんだろうなァ…っ」

他人の血で汚れた裏社会の人間なのに、こんなにも優しく触れてきて、のために……真っ当で強くありたいと淡い憧れを抱いてしまう。あれほど強引に奪って傷付けたのに、いまここに来て、対等な関係を築きたいと立ち止まり、困難な道に目を向けて……。

「……治崎さん。いくらでもやり直せます」

「っ…───」

突き動かそうとする強い光。
不確かなのに響く言葉。
強くて、真っすぐで、今までのことを否定しない、歩み寄ってくれた温かな手。

「やり直しましょう。私も…治崎さんのカッコイイ姿、お傍でみたいです。とうの私も、なにも出来ちゃいないけど…。あのとき、治崎さんが試験を受けさせてくれたこと、とても感謝しています。だから…一緒にやり直しませんか?」

(……俺にも、真っ当な道がまだ…ッ)

触れたこいつの手を離したくない。
やり直せると言ってくれた。
絶望的な真っ暗闇でも、果てしなく苦難な光のさきでも、おまえがその先で笑ってくれるなら…。

「まだ、……諦めるのは早いよな」

「はいっ!」

見ていてくれ。
もう逃げたりはしない。
この腕で、大切なものを抱きしめてしまったから…。

──…やり直そう。
/ 1227ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp