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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない


オールマイトを台頭にヒーロー社会は確立され、旧来のヤクザは組織解体を余儀なくされていく時代。組の存続も危ぶまれるがなにかやれば連中に目をつけられ、新事業も開拓できないままひっそりと暮らす。死穢八斎會の若頭・治崎はいつもの日課で新聞を広げて読んでいた。

「…オーバーホール。見てほしいものがあるんだが」

「………」

「例の、探してた女だ」

部屋にやって来た入中はデスクの前に資料を置く。治崎は新聞紙を綺麗に折りたたみ、クリップで止められた少女の写真に目を移す。

「………まだガキだな」

「今年の春に中学を卒業したばっかだ。たまたま病院の検査データをハッキングしたら、99.9%の確率で照合が一致したらしい」

「………東北か」

治崎は3ページほどある資料にすべて目を通し、厳しい面持ちの溜息を吐き出す。

「東北に身内もいねえから、まずここから動くとなると団体旅行でも装わない限り厳しいだろう。………だがその小娘、どうやらヒーロー志望で、あの雄英を受験するという確かな情報が手に入った」

「英雄症候群の病人か…。しかし、兆しは俺たちに味方したというわけか…」

「もう時間はねえ…。どうする?オーバーホール」

「……………」

治崎はもう一度、少女の写真を目に向ける。自分より一回りほど違うカタギの人間。真っ当に暮らし、真っ当に育てられ、真っ当に仕事も結婚もするであろう少女の人生。

「──…計画を進めよう」

だがそんなことは知ったこっちゃあない。

自分たちの存在を隅まで追いやった英雄症候群の病人だろうが小娘だろうが、捕らえたところで分かり合えるはずもない。だったら思い知らせればいい。たった一人の子供なのだ。

人格が崩壊するまで、何度でも…。

治崎は自身のもう一つの野望を果たすため、彼女の人生を丸ごと奪うことを決意したのであった。
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