• テキストサイズ

【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第21章 僕のヒーローアカデミア✿通形ミリオ「壁穴」


壁の穴にはまって小一時間。それまでに何度か自力で脱出を試みたものの無念の敗退。偶然手にしていた携帯で一人の男が駆けつけてくれることを待っていた。

「ミリオのやつ……。まだかなぁ」

雄英からそう離れていない森の中。とミリオは1年A組の同級生で、彼氏と彼女という特別な関係でもある。壁にはまった状態で遠くの空を眺めると、まぶしくキラキラと輝やく太陽が目に入る。

「はあ……。お腹空いた」

「お待たせなんだよねっ!」

「ぎゃあっ!!」

突然真横に現れた顔と上半身。気を抜いていたとはいえ、足音もなければ気配もなく、抜けられない態勢のままオーバーリアクションをとってしまう。

「びっくり大成功だよね!…ん~、見事にはまっちゃってるね!俺の真似をしたかったのかな?それはそれで面白いよね!」

「ミリオ。…来たんなら早く助けてよ」

「このくらいの厚さの壁なら自力で壊せることもできたと思うんだけど。あ、やっぱり俺と同じになりたかった照れ隠しかな…!?」

「ミリオの個性はミリオだけで十分だよ……。実はこの壁が破壊できない理由があって」

「?」

個性を発動したミリオに触れれば、壁を破壊することなく脱出できる。はお尻の方にある壁をみてといい、ミリオは上半身を引き抜いた。

「なるほどなんだよね!こんな誰も来なさそうなところに絵を描くなんて、よっぽど恥ずかしがり屋さんだったのかな。……ところではなんで、そんな狭いところ通ろうと思ったんだい?」

「まあ……逆の壁にも何か描いてあるかなと思って、横着しちゃったらこのザマといいますか」

「なるほど。それで抜けられなくなったわけだ!」

「笑ってないで助けてよぉぉ……」

自業自得ってことは大いに理解している。厚さ20センチもない壁。大きな胸は柔らかいせいもあって進むことができたが、骨盤部分が引っかかってしまった。戻ろうと思っても胸が擦れて痛くなってしまい、足はずっと立ちっぱなしの状態なのである。

「……うーん。何だかもったいない気がするんだよね」

「はい?」

なんだか嫌な予感がした。
/ 1227ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp