【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第18章 名探偵コナン✿松田陣平「この指とまれ」
大切だった親友と彼氏を同時に失い、救いのように現れた5人の男。その中で一番愛想が悪く、言葉足らずで不器用な男と一夜を過ごし恋人へと進展。
複雑な思いも抱えながら彼らと濃厚な1日を送り、キャンプ場から自宅近くのコンビニの駐車場に車が止まった。
萩「へえ……、ホントに松田ん家と近いとこに住んでんだ。よかったな、松田」
「えっ。松田さんもここで降りるんですか?」
松「悪ぃかよ。誰が好き好んで、てめえと同じところで降りなきゃならねえんだ」
(……本当にこんな人とお付き合いして良かったんだろうか)
かったるそうに軽荷物を背負い、先に車を降りたのは松田陣平。この5人の中で一番あり得ないと思っていた、今は恋人へと発展してお付き合いしている関係だ。
自分が弱ってたとはいえ身体を許し、帰り際に送られたメールに心打たれて付き合うことに決めたのだが、早々に生意気な口を叩かれる始末。それぞれ別れの言葉を告げ、は深々と頭を下げて車が見えなくなるまで手を振り続ける。
「………ぁ」
(まだ居たんだ……)
手を下ろすと松田は待っていたかのようにその場にいた。しかし、サングラスで表情が半分以上隠されているため、怒っているのか、何を思っているのか読めない。
ただ感覚で打ち解けていない空気が流れ始め、松田はおもむろに口を開く。
「お前の家、どっちだ?」
「……こっち、ですけど……。松田さんは?」
「同じ方向。いつまで学校休みなんだ…?」
松田が話し掛けてきてくれたおかげで漂っていた気まずい空気も薄れていく。
二人は自然に並ぶようにしてゆっくりと歩みを進めた。