【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第1章 名探偵コナン✿降谷零「カフェイン」
は同期の降谷零と共に捜査資料室で分厚い資料に目を通していた。7日間ほど家にも帰れずクタクタになった白いブラウスを着まわして、手元にあったコーヒーカップを手に取って水滴が落ちてこないことに暫くして気が付いた。
「降谷君。コーヒー淹れるけど飲む?」
「………ええ、お願いします」
「りょーかい」
向かい側に座る降谷は細長い指を額に添えながら生返事を返し、活字を目で追いながらページを捲る。その整ったマスクは気さくなときもあれば、こうして鋭い真剣な眼差しにも変わってしまう。
備え付けの小さなキッチンでお湯を沸かし、その間に凝り固まった背筋を解していく。髪や化粧なんて気にしている余裕もなく、コンタクトの代わりにしていた予備の眼鏡を置いて顔を洗う。
(こんなんじゃ婚活逃すわ……)
歳を取れば時間が経つのも早く気付けば20代後半。は仕事が恋人のような人生を送り、周りはどんどん結婚して家庭を築く。若い頃は服装や身なりもそれなりに気を付けていたから恋人はいた。いつしかそんなことも忘れ、仕事に命を捧げれば彼氏には女として見てもらえなくなり、元彼と別れて月日が経つ。
カタカタカタ…
「あちっ」
沸騰したやかんを持ち上げドリップに注ぐ。チクタクと音を鳴らして進む時計はまだ昼時からそう時間は経ってない。
(早く終わらせてゆっくりお風呂に浸かりたいなぁ……)
捜査室には必要最低限のものが備え付けられている。狭いシャワー室、仮眠室もあるが、ピークに差し掛かかれば寝る場所さえどうでも良くなってしまう。
「降谷君。はいどーぞ」
「…ありがとう」
はブラインドの隙間に指を入れ空模様を確認する。
(今にも降り出しそうだなぁ…)
「今夜から荒れるみたいですよ」
「あー……そうなんだ」
後ろに座っていた降谷は資料から目を離したようで、椅子の向きを変えてタレ目の下に隈を作った上目遣いを寄こす。もう見慣れた顔だというのに、近くで見ると落ち着かない気持ちになったは窓辺に視線を投げる。
(あり得ないあり得ない……)