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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」


傑くんの服は乱れていない。
問題は、が上半身丸裸だということ。
玄関からリビングのドアが開くまで5秒あるかないか。
慌ててブラジャーを拾おうとしたけど「バンザイして」と傑くんが切羽詰まった小さな声で言ってきたので、バサッと上から被せられる。

「ただいまー」

「おかえりなさい。お母さん」

傑くんの早わざでギリギリセーフ。
傑くんはの母親をに近付けさせまいと立ち上がり、重たい荷物を持つふりをして、に視線が向かないように言葉巧みに操っている。
初体験早々、リビングで致していたなんて思考にはならないだろう。
傑くんは母親と喋りながら買ってきた食材を冷蔵庫にしまい、完全に話題を逸らそうと手にした食材から話を広げだした。

「今日は手巻きですか? の好きなシメサバがある」

「そうそう。二人の仲直り記念に手巻き寿司パーティーをやろうと思って準備していたのよ。傑くんのママとその話で盛り上がっちゃって、すっかり貴方がたに連絡するのを忘れていたわ」

「なるほど。そういうことでしたか」

だから帰りが早かったのか、と傑くんの皮肉が漏れ出ている気がする。
傑くんの母親はケーキの準備をしており、うちの母親は「お米は何合炊いたらいいかしら」と考えている。

傑くんが母親を足止めしているうちに部屋に戻るか。
一人だけ先に戻ったら母親に何かしていたんじゃないかと怪しまれる可能性もある。
というか傑くんがブラジャーを回収してしまったから、一人部屋に戻ってもブラジャーがない。
タンスの中にもある、が、洗濯物の数を数えられたら終わり。
母親がそこまで推理能力を発揮するとは思えないが、事実を知っているからこそ、仲直り=恋人同士になったと母親たちには筒抜けだろう。
気にし過ぎかもしれないが恥ずかしさに耐えられない。
「晴れて処女卒業しましたっ!」なんて、親のまえでも仲の良い友達のまえでも言える気がしない。

傑くんは料理の手伝いを申し出たが主役は下がってと追い返された。
ブラジャーを隠し持ったまま台所に立つのは危険な香りしかしない。

「。私たちはお邪魔みたいだから上に行く?」

「うん。…そうする」
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