【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第2章 僕のヒーローアカデミア✿爆豪勝己「花」
は今日もお気に入りの真っ白なワンピース、ウェディングベールのような帽子を被って、温かな日差しの中を裸足で歩く。一面に広がる花畑の上に横になると、大地の香りを全身で感じ取るように深呼吸をする。
「ふぁぁ……今日もぽかぽか、平和だなぁ~」
風に揺れる草花、広がる花の香り、色取りどりの花たちに囲まれ、のどかな時間を過ごす。しかしものの数分後、その情景にはそぐわない音が近付いてきた。
「くそがァアア!!!逃げてんじゃねぇぞクソ雑魚がァアアアア!!!」
「な…なに……!!?」
住家の反対側からやって来た爆発音。一人が逃げ、それを追いかけるように一方的な攻撃を打ち込んでいる男が一人。
「やっやめて……!お花たちがっっ」
地面をえぐって土煙が立ち込め、無残に散る草花たち。は真っ青な顔をし胸に手を押しあてる。周りが見えていない二人の男に怒りを覚え…、
「散れェエエエッ!!!」
「やめてェエエエッ──!!!!!!」
「あ゛?!!……ぐォ゛ッ」
が心の底から叫ぶと宙を舞っていた花びらは一斉に男たちに牙を向ける。花吹雪で立っていることも困難な状況から、一方的な攻撃をしていた男は「クソがぁああッ」と怒鳴り声をあげて襲ってくる花びらを一気に爆破させた。
「きゃあっ!!」
襲いくる爆風で被っていたベールが飛ばされそうになり、は身を屈める。パラパラと土煙が落ちる音が治まった頃、身体を起こすと花畑は半壊しており大きな澄んだ目にジワリと涙をにじませる。
「………う、そ…」
「チィッ…今のでスタミナ切れだ。オイ」
「う…そ……っ」
(友達を、守ることが出来なかった……)
「オイって聞いてんだろ!!クソ畑女ァアア!!!」
「ひイィッ!!!」
横を見ると一人で怒鳴り散らしていた男がすぐ傍まで迫っていた。