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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」


家族ぐるみで仲の良いお隣さん。
小さい頃はそれこそ一緒にキャンプや川遊びをしたものだが、年齢を重ねるにつれて、は夏油さん家の傑くんに恋心を抱くようになっていた。
家に帰ると自分の母親の笑い声に混じり、落ち着きがあって甘さが広がる一度聴いたら忘れられない男性の声。

(なんで家にいるの……!?)

は壁越しからそっと覗いた。
──いる。
傑くんがリビングにある薄墨色のソファーに浅く腰を掛け、自分の母親と向かい合って楽しそうに談話している。
今日は長い髪をお団子にして結っている。
つい1週間前、部屋の空気を入れ替えようとレースカーテンを捲ったら、無造作ヘアにTシャツ、ワイドパンツ、サンダルを履いた、ラフなスタイルで家の方向とは真逆に歩いているところを目撃した。
近所のコンビニまでお出かけだろうか?
あまり見過ぎては気付かれると思い、体内時計で3秒くらいしか見ていないが、は熱くなる心臓をひとりで抱え込むことしか出来なかった。

(お母さんとなに話しているんだろう……)

は傑くんを意識し、悩みに悩み抜いた結果、自分のなかで恋を確立させた。
──にとって初めての初恋。
恋だと気づくと急に恥ずかしくなり、傑くんのことを露骨に避けるようになっていた。
誰の目から見ても一目瞭然だったが、の恋する心臓は本人を目の前にして耐えられる強度をしていなかった。
事実、家族おろか、傑くんも感じ取ったはず。

家族や傑くんに気付かれたところで何がはじまることもなく、自然に傑くんの名前を口にすることが減り、顔を見ることも、話すことも無くなってしまったのだ。

自分のおこないの悪さにしょんぼりしていると、気配に気付いた呼び声に遅れ、母親とばっちり視線が合って固まる。

「いま、の話をしていたところよ。手を洗ってこっちにいらっしゃい」

母親にハッキリと目の前で名前を呼ばれ、傑くんを見る。
傑くんはソファーに座ったまま首だけこちらに傾げ、昔と変わらずニコっと微笑んできた。
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