【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第12章 ハイキュー✿澤村大地「所有物」
部活も終わって、受験も終わって、高校最後の春休み。卒業旅行と祝して、両親から宿泊許可をもらうため彼氏である澤村大地とともにの両親の説得にあたっていた。
「──ってな訳なんです。さんと2泊3日卒業旅行……どうかお許しいただけないでしょうか」
「うむ…」
大事な娘を男と二人きりで同じ部屋で過ごす。少し遠くまで行って帰りが遅くなる日帰り旅行とは違うのだ。
の父は腕を組んで話を聞いており、長い息を吐き終えると母と顔を見合わせた。
「大地君なら安心だ…!うちの娘を頼むよ」
「はい!ありがとうございますっ」
(本当に外面だけは良いんだから……)
大地と初めて出会ったのは高1の時。同じクラスになって隣の席になって話すようになって、男性免疫があまりなかったに気さくに話し掛けてきた大地。
誰にでも分け隔てなく接することは分かっていたのだが友人に当たって砕けろと言われ、クラス替えの前日の部活帰り…思い切って告白。言葉を噛みまくって、正直ちゃんと伝えられたか分からなかったけどしっかり届いていたようで…「よろしくお願いします」と手を差し出された。
「ホテルに泊まるなら契約書が必要だったよな。母さん」
「あ、それは俺が用意しました。こちらが…宿泊先で用意されている同意書となっています。こちらの親権者欄にサインしていただきたいのですが……」
まるでやり手の営業マンのように契約書にサインをもらっており、親は何の疑いもなくペンを走らせる。
大地はとんだ腹黒だ。
普段は温和で、部活では主将らしく風格を出したり、同級生同士では小突き合ったり…。しかし、に対しては自分の所有物のように徹底的に扱ってくるのだ。
「やったな、」
「……うん」
二カッと歯を見せて笑う大地に、は出来るだけ柔らかい笑顔を返した。